ライブドアに売却か 村上ファンドの保有激減フジテレビジョンとライブドアのニッポン放送株争奪戦の行方を左右する村上世彰氏が率いる
投資グループ「M&Aコンサルティング」(通称村上ファンド)のニッポン放送株の保有比率が、2月末時点で発行済み株式の3・44%と、1月5日の18・57%から大幅に低下したことが15日、分かった。同ファンドは売却先を報告していないが、ライブドアに時間外取引で売却したとの見方が強まっている。
村上ファンドが関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかになった。
報告書によると、村上ファンドは、1月5日から2月末までに保有株式を約496万株売却。ライブドアは、2月8日早朝に東京証券
取引所の時間外取引を6回行い、ニッポン放送株を大量取得したが、そのうち3回の取引株数を合計すると、約497万株となり、同ファンドの売却分とほぼ一致する。
村上ファンド、ニッポン放送株を大量売却
ニッポン放送株を今年1月5日時点で18・57%保有していた経済産業省OBの村上世彰(よしあき)氏が率いる投資顧問会社「MACアセットマネジメント」(村上ファンド)の保有比率が、2月28日時点で3・44%まで低下したことが15日、村上ファンドが関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかになった。
報告書からは、売買相手や日時などはわからないが、2月中に15・13%分を売却したことになる。
ニッポン放送株を巡っては、ライブドアが44%超(議決権ベースで48%超)の株式を保有しているとみられる一方、フジテレビも約36%を確保して争奪戦を繰り広げている。
仮に村上ファンドが、この保有状況のままでライブドア陣営についた場合には、株主としての支配力を決める議決権ベースの保有比率では、過半数を上回る可能性もある。このため、村上ファンドの保有株の行方が争奪戦のカギを握る状況に変わりはないと見られる。
1月時点から今回の報告書提出まで保有比率が開示されなかったのは、村上ファンドのような投資顧問会社のほか
証券会社、
銀行などは報告書提出の特例対象だからだ。特例対象の企業は、今回のように「5%以上の株を保有した状態から2・5%以上の売買」をした場合、翌月15日までに報告すればよい規定となっている。
フジテレビ大幅増配、新株予約権引き受けも決議フジテレビジョンは15日、臨時取締役会を開き、今年3月末の期末配当を当初予想の1株600円から4400円に大幅に増配することを決めた。年間配当は当初予想の1株1200円から5000円と過去最高になる。同時に、ニッポン放送が24日発行する最大4720万株のニッポン放送株を取得できる権利(新株予約権)の引き受けを決議した。サンケイビルの第三者割当増資1300万株(93億円)を3月30日に引き受けることも決めた。
フジテレビを上回るニッポン放送株を取得したライブドアに対抗し、資本面では比較的緩やかだったフジサンケイグループの結束力を強化する。増配でフジテレビの企業価値を高めることで、新たな企業防衛策を狙ったとの見方もある。
大幅な増配についてフジテレビは「安定配当型から業績連動型に修正し、株主還元の充実を図る」と説明している。
ただ、ライブドアがニッポン放送の経営権を取得した場合、次にはフジサンケイグループの中核であるフジテレビ株を買い増して、フジテレビへの影響力を強めようとすることが想定される。増配すれば、フジテレビの株価の上昇が期待でき、買い増しがしにくくなることから、増配には、ライブドアによるフジテレビ株取得を回避する狙いもあると見られている。
同グループは、ニッポン放送子会社のポニーキャニオンをフジテレビに売却することなどを検討しているが、これに加え、フジテレビ本体の防衛策を急いだ格好だ。
新株予約権については、
東京地裁が発行差し止めを命じる仮処分決定をしており、今後の異議申し立てや抗告での司法判断で発行が認められた場合という条件付きで引き受けることを決めた。
フジサンケイグループの資本関係は、経営規模でフジテレビに劣るニッポン放送が、フジテレビの筆頭株主というねじれた構図が続いていた。フジテレビは、ニッポン放送の子会社化を目指して、同放送株の株式公開買い付け(TOB)を実施し、こうした関係に終止符を打つ予定だったが、ライブドアによるニッポン放送株の大量取得でシナリオは大きく狂っている。
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